事故を起こしたどちらとも悪かった場合、
必ずと言っていいほど「過失の割合」でトラブルになってしまいます。
なぜなら、一方的にぶつけない限り、双方とも自分は悪くないって考えるからです。
実際、ほとんどの事故ではどちらの車も動いていることがほとんど。
しかも、事故の速度や場所などにより、
何千通りのシチュエーションが存在するのです。
そのために私たちは自動車保険に加入して、保険会社同士に任せているんですが、
私たちが自動車保険を正しく使うために、
知っておいたほうが良い知識「過失相殺」と「過失割合」について
説明していきしょう。
自動車保険の過失相殺(かしつそうさい)と過失割合のルール
自動車保険における過失相殺(かしつそうさい)について
過失相殺とは、「自分の損害額から自分の過失割合分」を
「差し引く」ことをいいます。
例えば、あなたが友人に70万円貸してあとに、
友人から30万円借りた場合、差し引きで言うと、
「70-30=40万円」になりますよね。
なので、自動車保険のルールに当てはめてみると、
「友人から40万円返してもらえれば解決だ!」なりがちですが、
自動車保険の支払い方法はこのような考えではありません。
この考え方で、自動車保険に当てはめると、
相手の保険会社が40万円を支払ってもらって終了です。
ですが、対物保険の場合には、
こちらの保険会社から30万円相手に支払って、
相手の保険会社から70万円支払ってもらうという、
あなたと友人の保険会社は
両者の損害に対して、別々に支払う決まりになっているのです。
もちろん、お互い自動車保険に加入していなければ、
どのような支払い方法をとっても構いません。
あなたが負った70万円の修理費に対して、友人の修理費は30万円。
差し引き分の40万円分を返してもらえればOKです。
つまり、相手側の過失の程度に応じた額が、
損害賠償額となって保険金は支払われるのです。
過失の割合を決めるのは誰なのか?
過失割合を決めているのは保険会社になります。
ですが、勝手に決めているわけじゃありません。
過失については、過去の裁判例を参考にして決定しています。
その多くは「民事交通訴訟過失相殺率の認定基準」という本を用いるなどをして、
総合的に判断していきます。
ちなみに、警察が現場検証を行うので「過失割合」を決めるのかと
思われがちなのですが、決めるのは警察ではありません。
なぜなら、過失については「民事での話し合い」になるので、
警察が介入することができないからです。
あくまで、警察は事故の検証と結果、確認をすることが目的になっています。
それでは実際の事故を例にして説明していきましょう。
過失割合6:4の場合の事故例
例えば、見晴らしのいい交差点にて、
A車が右折するときに直進してきたB車と衝突してしまいました。
当然双方の車は損害を負うことになりました。
この事故では、A車の損害額が30万円、B車が60万円、
A車とB車の過失割合の計算が、
60:40にすることが保険会社同士の話し合いで決定しました。
実際の支払いの流れは、
・A車がB車に支払う賠償額 : B車の損害60万円 × A車の過失割合60% = 36万円
・B車がA車に支払う賠償額 : A車の損害30万円 × B車の過失割合40% = 12万円
なので、A車の損害額が30万円ですので、
B車から回収した12万円と残りの18万円については、
A車の車両保険を使用するか、自腹で支払う必要があります。
一方で、B車の損害額が60万円ですので、
A車から回収した36万円と残りの24万円については、
B車の車両保険を使用するか、自腹で支払う必要があります。
まとめ
過失割合については、当事者同士の場合で話し合いをすると、
双方の意見のぶつかり合いになってしまい、トラブルが発生しやすくなります。
なので、保険会社がその間に立ち、話し合いを代行してもらいます。
確かに、年間の自動車保険料の支払いが厳しい方もいると思います。
ですが、無保険の状態で事故を起こしてしまうと、
人生を左右しかねない、大きなトラブルに発展する可能性があることを
忘れてはいけません。
自損事故でも十分まずいのですが、
相手がいる事故、または過失が多くなるような事故に遭遇する前に、
必ず自動車保険には加入しましょう。
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