自動車保険でなによりも大切なのは「相手に対しての補償」ですよね。
とくに相手の方にケガをさせてしまった場合に補償する『対人賠償保険』は車を乗るドライバーには絶対に加入しなければならない保険なんです。
ただ、対人賠償保険の中身を知らなければ、本当に必要なのかどうかわからないですし、そもそも対人保険には強制で加入する「自賠責保険」の存在も知っておく必要があります。
そこで今回の記事テーマになりますが、
・任意で加入する「対人賠償保険」と強制保険の「自賠責保険」の違い。
・対人賠償保険になぜ加入する必要があるのか。
・対人賠償保険の補償を受けられる方と逆に受けられないケース
について解説していきましょう!
目次
自動車保険の基礎!対人賠償保険の概要
対人賠償保険と自賠責保険との違い
先述したとおり、相手の方を死傷させてしまった場合に補償するのが『対人保険』です。
ただ、対人保険にはすべての自動車に加入が義務付けられている「自賠責保険」と任意で加入する「対人賠償保険」の2つがあります。
そもそも、対人賠償保険と自賠責保険には、明確にどのような違いがあるのでしょうか?表で解説していきましょう。
【対人賠償保険と自賠責保険の違い】
対人賠償保険 | 自賠責保険 | |
---|---|---|
保険加入の条件 | 任意保険 | 強制保険 |
補償の目的 | 法律上の損害賠償責任 | 被害者救済 |
支払限度額 | 保険金額 | 死亡:3,000万円 後遺障害:4,000万円 傷害:120万円 |
配偶者、子供、親に対する補償 | 補償しない | 「他人」と判定された場合は補償対象 |
過失相殺(かしつそうさい) | 被害者への損害賠償額は、相手の損害額の過失割合を差し引いた額となる | 被害者に重大な過失が認められない以外は「減額されない」 |
保険金が支払われないケース | 保険契約者や被保険者の故意 地震や台風、洪水 |
保険契約者の悪意 |
ここで大切なポイントは、対人賠償保険は自賠責保険の支払われる額を超過した部分に対して保険金が支払われる保険であり、自賠責保険の上乗せ的な役割を担っています。
では、自賠責保険の上乗せの役割を担う、対人賠償保険なんですが、そもそも自賠責保険の補償限度額の3,000万円では足りないのでしょうか?
自賠責保険の支払いでは物足りない理由
自賠責保険の補償限度額の3,000万円では十分すぎるように思われるのですが、なぜ対人賠償保険を別に加入する必要があるのでしょうか?
その理由は、相手の方への賠償は非常に高額になってしまうケースがあるからです。
こちら損保協会から出している、ファクトブックから引用してものを例にしてみよう。
認定総損害額 | 被害者 | 職業 | 被害態様 | 判決年月日 |
---|---|---|---|---|
5億2,853万円 | 男41歳 | 眼科開業医 | 死亡 | 2011,11,1 |
3億9,725万円 | 男21歳 | 大学生 | 後遺障害 | 2011,12,27 |
3億8,281万円 | 男29歳 | 会社員 | 後遺障害 | 2005,5,17 |
以上のように、交通事故判例によっては「億単位」の賠償責任を負う可能性があるんです。
このような高額な判例が出てしまうと、自賠責保険の3,000万円ではとてもじゃないけど補償額が足りません。
だからこそ、個人で掛ける任意保険には対人、対物だけは無制限で加入する必要があるのです。
それでは、対人賠償保険が使用できる範囲について説明します。
対人賠償保険を範囲
では次に、対人賠償保険が適応される範囲についての説明をしたいと思います。
今回の例では記名被保険者を「旦那さん」にした場合について説明します。
同居の家族+別居しているが結婚していない子供
①記名被保険者(夫)
保険証券に記載されている被保険者をいいます。
※被保険者とは「保険を受ける、サービスを受ける本人のことをいいます」
参考:補償を決める記名被保険者(きめいひほけんしゃ)とは一体だれのこと?
4人家族の場合は旦那さんや奥様が契約者=記名被保険者になっている場合がほとんど。
夫が記名被保険者なら配偶者は妻になり、妻が記名被保険者なら配偶者は夫になります。
②配偶者(妻)
③同居の親族(お爺ちゃん・お婆ちゃん)
同居していることが前提です。
④別居の未婚の子
別居をしていても未婚の子供であれば対人保険範囲に含みます。
ただし、婚姻歴のない方に限りますので注意しましょう。
家族じゃなくても対人保険の賠償範囲に入るケースもある
⑤許諾被保険者
許諾被保険者とは①記名被保険者の承諾を得て、被保険自動車(保険が掛かっている車)を使用または管理している者をいいます。
かんたんに言うと「借りた人」をいいます。
但し、自動車修理業者、ガソリンスタンド、運転代行サービスなどの自動車運転に係るサービスをしている人間については、保険の対象外となるので注意しよう。
また、宿泊しにいったホテルの人間が車を移動中の事故についても許諾被保険者となります。
⑥記名被保険者の雇い主
①の記名被保険者が自分のクルマである、
被保険自動車(保険が掛かっている車)を業務に使用している場合に限り、その使用者は被保険者となります。
ただし対人賠償保険も万人受けの保険ではありません。
保険金額が支払われないケースももちろんあるのです。
対人賠償保険の保険金が支払われないケース
保険金が支払われないケース
2、戦争や内乱、暴動
3、地震や噴火または津波
4、台風、洪水、高潮
5、核燃料物質等による事故や放射線照射、放射能汚染
6、被保険者自動車の競技や曲技
また、記名被保険者や被保険者の父母や配偶者や子供が、保険の掛かっている車を乗ってるクルマにぶつけられて身体が害された場合でも、支払対象にはなりませんのでご注意を。
つまり、対人賠償保険の保険金欲しさに身内がわざとクルマにぶつかったとしても保険金の支払いにはならないのです。
残念ながら、自動車保険の世界では、不当に保険金を受けとろうとする悪意のある人間がいることも事実であり、一言でいうとただの保険金詐欺です。
どうしても身内の場合「偶然な事故」を証明することが困難になります。
このような理由から、補償の範囲に家族は含まれないのです。
また、車両保険など運転者が酒気帯び運転などをしているときに事故を起こしたケースでは、保険金支払いの対象になりませんが対人賠償保険の場合は違います。
対人賠償保険はあくまで「被害者保護」を目的に行っているので、運転者の状態に関わらず保険金の支払い対象としています。
以上のことから、
縦列駐車を誘導中の父をはねてしまった→保険の対象にならない。
このような違いがあるので、混在しないように注意しましょう。
まとめ
対人賠償保険で大切なポイントは、
- 対人賠償保険は自賠責保険の上乗せ保険である
- 車に乗るなら対人賠償保険は絶対に必要
- 対人賠償保険(対物賠償保険も)は必ず無制限で掛ける
この3つ。
対人賠償保険は、使わないことがユーザーにとって1番なのですが、自動車事故に関しては「未来は絶対大丈夫」という保証は何一つありません。
「人の命」に値段はつけられませんが、保険という仕組みがある以上、賠償額を算出する必要があります。
そして算出する以上は相当な「高額判例」の覚悟も必要になります。
自動車保険の保険料を節約する方法なんて、自動車保険一括見積もりを利用したり、特約を選定したりと他にもいっぱいあるのですから、対人賠償保険を削ることのないように広い視野をもって考えてみましょう。
対人賠償保険がかかっていない車なんて、恐ろしくて乗られないはずなんですよ。

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